コロナ禍、ゴルフ場とゴルフ練習場は若いゴルファーで盛況です。
在宅勤務や時短操業の結果でしょう。
特に、アコーディアに代表される低料金のゴルフ場で顕著です。
一方、ネットのカキコミでは「詰込み過ぎによる渋滞ゴルフ」「初心者ばかりのグループによる遅滞プレー」への批判が多く見られます。
混み具合は日程・天候・週末か否かにより異なりますが、ハーフ3時間かかれば大半のゴルファーは怒るでしょう。コメントでは「申し訳けありません。改善に努めます」を繰り返すが、一向に改善の兆しは見られない。
低コスト化を図るために、サービスの低下が目立ちます。即ち、ゴルフバッグの車からの出し入れの手伝いはしない、コースによってはハウスを通り抜けカートまで自分で運ぶ、プレー終了後のクラブ拭きは自分で行う、バンカーへの砂の補充をしない、昼食メニューは数種類のみ、コースによってはカフェテリア方式のセルフ、5月10以降は風呂なしでシャワーのみ、故障した設備の回復は大幅に遅れ(水道栓、乾燥室は故障のまま等)受付・精算の機械化などです。半面、季節により違いますが、驚くほどの低料金に設定している。
コストダウンのための人減らしが進み、売店の無人化だけでなく、社員は事務所とレストランとキャディ室前の3か所を時間帯で移動する配置が行われており、面食らいます。
先日、あるゴルフ場で体験しました。同伴者がクラブをコースに忘れたので、無線で連絡したのですが、「後で自分で取りに行って下さい」の返答には呆れ返りました。ここまで来たかアコーディア!の思いにやり切れなくなりました。
しかし、付け加えると後日別のアコーデァ系のゴルフ場で確認しました。このコースでは「後続組の届け出を待つが、なければ後でお客さんと一緒にカートで探しに行く」との返答に安心しました。コースにより、受け付けた人により対応が異なるのでしょう。
低コスト化のための施策は、料金とのバランスで評価が人により異なります。
私は低料金の魅力が大きいので、サービスの低下は納得しています。でもハーフ3時間の渋滞ゴルフはいくら低料金でも我慢できません。
先日、会員宛にアコーデァゴルフから手紙が来ました。
丁寧な表現ですが、私の理解は「コロナ禍で行っている諸施策はコロナ終息してもゴルフ普及のために続ける」と受け取りました。
即ち、「低料金を続けるが、サービスの低下は承知せよ」でした。私の予想通りでした。
これはこれで良いと思います。長らく続いた伝統的なゴルフ界の慣習に拘らない新しい経営スタイルです。
全国2000超のゴルフ場は3分化されるでしょう。
都会周辺の伝統的な高級ゴルフ場、アコーデァに代表される大衆化路線、キャディなしのセルフを前提にしながら程ほどにこれまでの慣習を取り入れる、の3つです。
飲食店の評価と同様に、支払った料金とのバランスで評価すればいい。コース設計が良く、グリーン等の手入れが良く、設備が良く、進行が良く、従業員の応対が良い、自宅から遠方でない等すべて揃って低料金はあり得ません。低料金にはそれ相当のデメリットがあります。
ゴルファーが自分の好みと価値観でコースを選ぶ時代になりました。
令和3年6月21日 渡 若造