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先日、枕元に前田アマテラス神が来光され、「そろそろ、そろそろ」との御言葉あり。
これは、一大事と、遠い記憶をたどりながら、前回で予告したとおり、スペイン中部の地中海に面している都市、バレンシア編を書いている。
スペインといえば、セビリアの春祭り(4月)、パンプローナのサン・フェルミン祭{牛追い祭り}(7月)とともに、年3月15日~19日の5日間開催されるバレンシアの火祭り{サン・ホセの火祭り}がスペインの3大祭と言われている。

昼間は、左上のような大きなモニュメントが至る所にあり、その年に一位を取ったモニュメント以外は、夕刻には街中の至る所で、炎に包まれる。
街中を移動しながらの見学だが、濡れたタオルを顔に巻いていないと熱くて堪らない。
祭りの歴史的な意味は承知してないが、火に包まれた街の中にいると、そこにあるすべての悪や悪行も同時に焼き尽くされる気がしてくるのが不思議だ。
正に情熱の国スペイン、街も身をも焼き尽くす一大イベント、それがサン・ホセの火祭りである。

1986年当時、日本企業からの留学生仲間と、この火祭りに合わせて、ゴルフ旅行を企画した。
到着した日は、市内のホテルに宿泊して、市内観光や夜の火祭りに参加、翌日、パラドールと呼ばれる国営運営のホテル パラドール デ エル サレルに宿泊した。

このパラドールには、エル サレル ゴルフ場が併設されており、バレンシアの海岸線にゆったりとレイアウトされている。

パラドールには、概ね3つのタイプがある。
①歴史的建造物を利用したもの:一番有名で予約困難なのはアルハンブラ宮殿の中にあるものやトレドのものは有名。トレドのパラドールのテラス席からは、トレドの街が一望出来て歴史の中に身を置きながら、美味しい料理を堪能できる。
https://youtu.be/UN9r7oXlh74

②リゾート型のもの:バレンシアやマラガなどのリゾート地に建築されているもの
③近代的なもの:比較的都市部に多い。

今回は、二番目の種類のパラドールとなる。

スペインといえば、パエリアが有名だが、実際スペインに住んでいると、あまりお目にかかれない。
ただ、ここバレンシアはパエリアの発祥の地とのことで、観光客向けのレストランで提供される。また、イカやタコも良く食卓に上がる。
この次に書こうと思っているカナリア諸島のゴルフでもイカとタコの話をしたいと思う。

さて、話をゴルフに戻そう、バレンシアの火祭りを堪能した日本人留学生の一行は、サレルゴルフ場で二組のミニコンペを開催した。

そこで、予てから、OBを打ったのにも拘わらず、何故かOBぎりぎりのところでボールを見つけるのが得意な某商社の留学生がいた。

留学生仲間で、「卵を産む男」として売り出し中の猛者だ。

バレンシアのラウンドは、この「卵産みの考察」が「バレンシアの火祭りの体験」に並んでの目的だった。
どうしても卵を産む現場を押さえたかったので、彼に一組目でラウンドして貰って、二組目に某メーカーで、ビデオ撮影の得意な留学生を配置、撮影に邁進したのである。

サレルゴルフ場は、海岸線にレイアウトされているが、画像でもお分かりのとおり、かなり開けていて眺めがよいホールが多い。
さて、いよいよ、午後の大きく打ち下ろしていくホールで例の彼は大きくスライスして、ボールはOBラインに消えていったと思われた。が、
何故か、200Y先のラフの辺りでウロウロしたと思うと、ポケットに手を入れ、ボールをポケットの穴からズボンを通して産み落としたのだ。

我々、二組目の全員が、あたかも同伴者が「ホールインワン」したかのように、「ヤッター!ヤッター!」と大騒ぎしたのである。

この一連の行動が、見事にビデオに収められて、バルセロナに戻ってからの映写会で酒のツマミになったのである。

スコアを胡麻化す以外は、とても優秀で優しい男だっただけに残念でならない。

ゴルフをすると、その人の真の性格が本当に分かると思う。
平常時どんなに紳士でも、臨界点においても、同じ行動がとれるようにしなければならぬと感じた、「他山の石」であった。

次回は、大瀧詠一の歌で有名な「カナリヤ諸島」編を書きたいと思う。

 

掲載日:2023年4月19日