最近は新聞紙上、あるいはネット市場で会員権相場が上昇しています、という記事をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
今振り返ると、バブル期以降これまでそれほど動いてこなかった会員権市況が動き出したのはコロナが蔓延したことから始まりました。
2020年4月7日、時の首相安倍総理が第1回目のコロナ緊急事態宣言を出しました。そうです。外出は控えろ、密の状態を作るな、他人との接触を7割から8割減らしてくれとの要請をしてましたね。
株価で言うと、この時の日経平均株価は19000円ほどでした。
この緊急事態宣言を受けて、小金井カントリー倶楽部や東京ゴルフ倶楽部など、その間クローズするというゴルフ場があったりもあり、会員権市況は2020年4月からの1か月間は非常に寂しいものでした。が、市場においては、買いが減っただけではなく、売りもまったくなく、相場価格に変動がなく、ただ、会員権を扱う我々業者の売り上げがとにかく減った2020年4月でした。
コロナ蔓延から、マエシンが前年より計画しとても楽しみにしていたスコットランド&アイルランドツアーの中止を余儀なくされました。この時は、ロイヤルカウンティダウン、今年の全英オープンを開催したロイヤルポートラッシュをなんと贅沢にも2日続けて回り、ミュアフィールドで1日に2ラウンドするっていう超素晴らしい計画をキャンセルせざるを得ずとても悔しい思いをしました。
マエシンはゴルフがなくなると仕事にならないこともあり、また、ゴルフ場にも緊急事態宣言中は来場者があまりなかったこともあり、逆に、積極的にゴルフに行くことに精を出しました。その結果、6月には連続17日18・5ラウンドのゴルフを敢行。
4月は散々だったゴルフ会員権でしたが、なんとなんと、緊急事態宣言が明けた5月7日以降、なぜか会員権を購入したいという依頼が舞い込み始めます。が、この時はまだまだ世間的には外出するのは自粛せよ、の御世でした。
この時、買いが入り始めたのは、リゾートコースの数コースでした。まず、当時25万円だった河口湖カントリークラブ。30万円だった日光カンツリー倶楽部。40万円だった箱根カントリー倶楽部。200万だった大浅間ゴルフクラブでした。
今思うと、コロナでリモートワークが普及しはじめ、リゾート地でも仕事が可能となったことから、そういうスタイルが可能な方々の買いが増えていったのが要因だったのでしょう。
2020年は10月1日から大利根カントリークラブが税込220万円で土曜日利用可能の平日会員を50名募集し始めたが、なんと10月13日には50名を集め完売。
当時の大利根の正会員の相場は370万円でした。
とにかく、2020年は募集案件の売れ行きが好調になった分岐の年でした。それまで目立った売れ行きでなかった龍ヶ崎の税込156万円の平日会員も大利根のあっという間の売り切れ報道から絶好調の売れ行きになっていきました。
2020年12月からは、日光カンツリー倶楽部も土曜日利用可の週日会員の募集(税込110万円)に注目が集まりました。が、これも翌2021年2月4日に完売通知が入りました。
また、北陸は石川県の片山津ゴルフ倶楽部54ホール会員募集税込220万円も注目を集め売れ行き絶好調でした。
この2020年はマエシンの加賀屋ゴルフがZAITENで同じく連載を共にさせていただいているタケ小山さんがDJをされているインターFMのラジオ番組のグリーンジャケットのスポンサードをさせていただいた年で、年始の1月2日にはスタジオにも呼んでいただき、2020年に飛躍した会員権をラジオでご紹介した年でもありました。
2020年はゴルフ場業界再編が始まった年でもあり、10月30日にはアコーディアが持っていた石岡、南市原、武蔵ゴルフ、きみさらずという有力コース4コースをPGMに譲渡した年で、アコーディアが所有コースをPGMにすべて譲渡するきっかけとなった年でした。
2020年はこれまでの会員権の値動きとは明らかに違う動きを見せた年でした。
掲載日:2025年9月5日